|
ハサミには硬度だけではなく,弾性・靱性も求められます。焼入を行う事により、硬度を上げます。
加熱温度及び冷却速度は硬度を左右する重要なファクターであり、材質により前記条件が異なりますので、厳密な管理を要します。
また、硬くするだけでは切れ味は向上しないため、焼きもどし・サブゼロ処理を行います。
焼きもどしは、不安定な焼入状態の金属組織を安定化し、これに伴って鋼に良好な強靱性を付与することを目的とします。
サブゼロ処理は、焼きもどし後、0℃以下の低温に冷却する操作です。残留オーステナイトをマルテンサイト化して減少させます。寸法精度を向上させ、経年変形
を防ぐ効果があります。サブゼロ処理による硬度の上昇はHrC0.5〜1.0が見込まれます。サブゼロ処理を施す事により経年変形(ひずみ)が出にくいので、初期の切れ味・調子が長期間持続できます。
ハンドルの変色は、仕上げの段階で微調整を行うため、ハンドルを焼き鈍した痕跡です。
|
|